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【売買・贈与・分与・相続】不動産所有権移転登記で必要な書類まとめ

【売買・贈与・分与・相続】不動産所有権移転登記で必要な書類まとめ

不動産登記では、どこの土地・建物が誰のものなのか、公の帳簿に記録することができます。なかでも、不動産の所有者が変わるときに申請するのが、「所有権移転登記」と呼ばれるものです。

本記事では、不動産所有権移転登記において必要な書類について詳しく解説します。

不動産所有権移転登記とは

所有権移転登記とは、不動産の所有権を変更するときの公的な手続きを指します。

主に以下のタイミングで必要となります。

【不動産所有権移転登記が必要なタイミング】
・不動産を売るとき・買うとき
・不動産を生前贈与するとき・されるとき
・所有者が亡くなった不動産を相続するとき
・離婚で不動産を財産分与するとき

所有権移転登記に法律上の期限はありませんが、登記を行っていないことで、自身の不動産にもかかわらず第三者に所有権を主張される危険性があります。

不動産の所有権移転登記申請の概要

所有権移転登記は、登記申請書と添付書類を法務局に提出することで申請できます。

申請書にはA4の用紙を使用し、添付書類と一緒に左とじにします。記入は、パソコンやワープロを使用して作成した物の印刷でも、手書きでも構いません。手書きの場合、文字は消えない黒色のインクではっきりと記載しなければなりません。

パソコンでの書面作成の際には、法務局が案内している「申請用総合ソフト」が便利です。申請に対応した項目がすでに設定されているため、必要項目を入力するだけで正確に申請書を作ることができます。

申請にかかる期間は、シーズンによりますが1~2週間程度が一般的です。

不動産所有権移転登記の申請方法

申請書と添付書類は、書面を不動産の所在地を管轄する法務局の窓口に持ち込む、または郵送で提出します。オンラインでの申請も可能ですが、添付書類については別途窓口に持参するか郵送する必要があります。

直接持ち込めば、法務局職員に相談ができるため、分からないことがあるときに向いています。ただし、法務局によっては予約が必要な場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

不動産所有権移転登記を申請するために必要な添付書類

登記申請書と一緒に提出が必要な添付書類には、かなりの種類があります。また、準備が必要な書類は、売買・贈与・財産分与・相続など状況によって異なる点も要注意。

準備すべき添付書類をまとめてみていきましょう。

売買・贈与・財産分与のとき

おおよそ書類は共通していますが、状況に応じて異なる書類が必要になることがあります。

【売買時の売り手・贈与する人・財産分与する人】

身分証明書顔写真付きのもの
印鑑証明書・実印印鑑証明書は 発行後3ヶ月以内のもの
不動産売買契約書
登記済証または登記識別情報
固定資産評価証明書本年度のもの
委任状司法書士に依頼する場合のみ
住民票の写し登記簿上の住所と現住所が異なる場合のみ
売買契約書売買時、司法書士に依頼する場合のみ
贈与契約書贈与時、司法書士に依頼する場合のみ
調停や審判の調書離婚時、状況によって必要になることがある
離婚協議書          〃
離婚日の記載がある戸籍謄本          〃
代表者の資格証明書または会社法人番号法人の場合
代表者事項証明書や登記事項証明書など

【売買時の買い手・贈与される人・財産分与される人】

身分証明書顔写真付きのもの
印鑑証明書・実印抵当権設定登記を同時に行う場合のみ
住民票の写し期限制限なし
委任状司法書士に依頼する場合のみ
調停や審判の調書離婚時、状況によって必要になることがある
離婚協議書          〃
離婚日の記載がある戸籍謄本          〃
代表者の資格証明書または会社法人番号法人の場合
代表者事項証明書や登記事項証明書など

相続のとき

相続に際して所有権移転登記をする際は、相続人がすべての書類をそろえる必要があります。

身分証明書顔写真付きのもの
固定資産評価証明書本年度のもの
住民票の写し登記簿上の住所と現住所が異なる場合のみ
故人の戸籍謄本または除籍謄本
相続人全員の戸籍抄本
家系図・相続関係説明図
相続人の印鑑証明書法定相続または遺産分割の場合のみ
遺産分割協議書          〃
遺言書または検認調書遺言による相続の場合のみ
調停や審判の調書遺言書が無い場合など
遺産分割協議書          〃
登記済証または登記識別情報司法書士に依頼する場合のみ
委任状司法書士に依頼する場合のみ

不動産所有権移転表記の申請にかかる費用

所有権移転登記には、大きく分けて下記3点の費用が必要です。

・登録免許税:固定資産税評価額 × 税率
税率は、売買・贈与・財産分与で2%、相続で0.4%です。土地の売買のみ、2026年3月31日までは1.5%の軽減措置があります。(2023年6月時点)

・手続きにかかる実費:1〜2万円程度
必要な添付書類の発行手数料や取り寄せにかかる費用、切手代などが該当します。

・司法書士への依頼にかかる費用:~5万円程度
司法書士に依頼する際の費用は、司法書士事務所によって異なるうえ、売買・贈与・分与なのか相続なのかによっても変わってきます。複数の司法書士に見積もりを取って、比較するのがおすすめです。自分で申請する場合、本費用は不要。

不動産所有権移転登記の必要書類の準備に不安があるなら・・・

不動産の所有権移転登記では、多くの書類が必要なうえ、ケースバイケースで用意しなければならないものが異なります。さらに、不動産登記法などの法令に基づいて手続きする必要があるので、司法書士に依頼するのが一般的。

自分でも申請は可能ですが、書類の準備や手続きには時間と手間、法的な知識が求められます。書類の不足や不備も多いため、スムーズかつ確実に登記を行うためには、司法書士に代行してもらうのが確実といえるでしょう。専門家に任せておけば、準備すべき書類や入手方法に悩むこともありません。

個人で申請したい場合は、法務局のWebサイトの案内が参考になります。