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公示価格の調べ方3STEP | 土地の価値を知るための方法は?

公示価格の調べ方3STEP | 土地の価値を知るための方法は?

公示価格は土地や建物の価値を決める要素の1つで、公示価格を調べることで所有している不動産の資産価値の目安を把握することができます。

本記事では公示価格の調べ方をわかりやすく解説します。不動産の売却を検討している場合は、確認しておきましょう。

公示価格とは

公示価格とは、国土交通省または都道府県が公表している土地取引の際に用いられる目安の金額を指します。毎年発表されており、年度によって金額は変わる可能性があります。この公示価格の推移をみれば、不動産のおおよその価値を判断することができます。

2種類の公示価格

公示価格には、国土交通省が発表している「地価公示」と都道府県が発表している「基準地価」の2種類があります。

2つの公示価格は、都市計画区域以外が含まれるか・評価を下す不動産鑑定士の人数に違いがあります。そのほか、地価公示は毎年3月に、基準地価は毎年9月に発表されるという点も異なります。

2つの公示価格は一部評価方法が違うものの、専門家が評価した客観的な土地の価値を示す指標には変わりありません。ほとんど同じものという認識で構いませんが、土地の価値を調べるときは両方確認しておくとよいでしょう。

公示価格と実勢価格の違い

公示価格と混同されがちなのが「実勢価格」です。

実勢価格は、実際に取引された土地の価格を指します。売買取引をした当事者が価格を決定しており、一般的には公示価格の1.1倍程度の金額になるといわれています。実勢価格の特徴は、売主・買主の経済状況や売買の緊急度といった土地の価値以外の要素もあいまって決定された、実際に取引が成立した金額であるという点です。

公示価格は、公的機関が公表した土地の客観的な評価(金額)なので、個別の取引における事情は考慮されず決定されます。

【3ステップ】公示価格の調べ方

①「標準地・基準地検索システム」で所在地を選択する
②検索条件で絞り込む
③公示価格を確認する

公示価格は、上記の3ステップで調べられます。

①「標準地・基準地検索システム」で所在地を選択する

不動産の公示価格は、国土交通省「標準地・基準地検索システム」で公開されています。サイトにアクセスしたら、日本地図が掲載されているため、不動産がある都道府県を選択します。

続いて、市区町村が記載された地図が開くので、調べたい土地がある市町村をクリックしましょう。

②検索条件で絞り込む

検索条件では、下記のような条件を絞り込んで検索することができます

・対象(地価公示or基準地価):特別な事情がない限り両方を選択
・調査年度:基本は最新年度を、地価の推移をみたい場合は過去年度を選択
・用途区分:自宅用の土地については「住宅地」を選択
・地価:基本は入力不要。1㎡あたりの地価の金額を絞りたい場合に選択

特に条件にこだわりがないという場合は、何も選択せず、そのまま検索ボタンを押します。

③公示価格を確認する

検索結果では、市町村のなかにある全地点の公示価格が表示されます。そのため、表示されているもののなかから、価値を調べたい土地周辺の地名を探す必要があります。

パソコンの場合は「Ctrl+F」を押すと、検索窓が表示されるため、探したい町名を入力・検索するのがおすすめ。調べたい地点での公示価格がない場合もあるため、その場合は周辺地域の地名で探しましょう。

また、検索結果には「公示価格」という項目はありません。公示価格は「価格(円/㎡)」と記載されている欄を確認しましょう。

その他の土地の価値の調べ方

公示価格を把握するほかに、下記のような方法でも土地の価値の目安を調べることができます。

・相続税評価額を調べる
・固定資産税評価額を調べる
・実勢価格を調べる
・不動産査定で調べる

簡単に調べ方を確認しておきましょう。

相続税評価額を調べる

相続税評価額(相続税路線額)は、相続税・贈与税を算出するための指標で、道路に面している1㎡あたりの土地の価格を指します。相続税評価額は公示価格をもとに算出されており、公示価格の80%程度になるのが一般的。

国税庁「路線価図・評価倍率表」から調べることができます。調べて出てきた路線価に土地の面積を乗ずることで、土地の価値を算出します。

固定資産税評価額を調べる

固定資産税評価額は、固定資産税を算出するための指標です。固定資産税評価額は、毎年市区町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に添付されている「課税明細書」にある、「価格」欄に記載があります。一般公開はされておらず、土地の所有者や借地人、借家人が調べることができます。

実態価格を調べる

先に紹介した実勢価格も土地の価格を把握する目安になります。調べ方はさまざまありますが、「公示価格に1.1~1.2倍を乗じる」「公示価格×面積×1.1」または「不動産会社に査定もらう」といった方法で調べることができます。

公示価格は土地取引の目安になる

本記事では、公示価格を国交省のWebサイトから簡単に調べる方法をお伝えしました。

公示価格は、不動産を売却する際の売却額の目安となります。ただし、あくまでも目安の金額であり、実際には売主・買主の事情を踏まえ、当事者間での交渉によって売却額が決まります。

そのほか、実勢価格や相続税評価額、固定資産税評価額など、土地の価値の指標はさまざまありますが、いずれも参考程度に留めておくのがよいでしょう。