コラム

  • 個人向け

銀行の不動産担保ローンの審査基準と審査通過のために必要なこととは?

銀行の不動産担保ローンの審査基準と審査通過のために必要なこととは?

不動産担保ローンとは、不動産を担保にすることで金融機関から融資を受けることができる金融商品です。一般的には、無担保ローンよりも金利が低く、返済期間も長い、さらに資金使途の自由度が高いことから、住宅ローンの借り換えや事業資金、子どもの教育資金などさまざまな用途で活用できます。

メリットが大きいことから、不動産担保ローンの借入を検討している人も多いでしょう。本記事では、融資を受けたい人が気になる、不動産担保ローンの審査基準や審査を通すために必要なことを解説します。

銀行の不動産担保ローンの審査基準

不動産担保ローンの具体的な審査基準は金融機関ごとに決められています。しかし、審査の項目は大きく「信用力」「不動産の価値」に分けられます。それぞれどのような審査基準が設けられているのかみていきましょう。

信用力(ローンの返済能力)

不動産担保ローンにかかわらず、ローン商品であれば必ず信用力の審査があります。信用力は、すなわちローンを返済する能力です。

具体的には収入・過去の借入の返済状況・ほかの借入状況・勤続年数・収入等が審査されます。たとえば、収入の項目であれば、収入のうちローンの返済額の割合を指す「返済負担率」が重要なポイントとなります。収入に対して返済負担率が高ければ高いほど、審査は厳しく、通過するのが難しくなる傾向があります。

そのほか、過去・現在の借入・返済状況も重要です。過去の借入で滞納や返済の遅れがあれば、信用は低下します。また、現在ほかの金融機関から借入がある場合、金額や返済負担額、借り入れている金融機関の数などに応じて、審査が通過しにくくなる可能性があります。

不動産価値

ローンにおいて銀行などの金融機関がもっとも危惧する問題が、融資後の貸し倒れです。不動産担保ローンの場合、この貸し倒れにならないように、不動産を担保としてお金を貸します。そのため、担保となる不動産の価値は非常に重要です。

不動産の評価方法は、土地と建物で異なります。土地の場合、国土交通省が出す「公示地価」や都道府県が出す「基準地価」、国税庁の出す「路線価」、市町村の出す「固定資産税評価額」が参考にされます。同じ土地であっても、参考にする地価は異なり、金融機関の評価手法や参考にする基準なども違ってきます。

建物の評価方法は、建物を新築・購入した場合にかかる金額を指す「調達価格」から算出されます。しかし、築年数が法的耐用年数を超えていると建物の価値はゼロになるため注意してください。

銀行の不動産担保ローンの審査に必要な書類

【申し込み本人に関する書類】

・住民票
・本人確認書類
・印鑑証明書

【収入に関する書類】

<給与所得者>
・過去3年分の給与明細書
・過去3年分の源泉徴収票
・過去3年分の住民税決定通知書

<個人事業主>
・過去3年分の確定申告書の控え
・過去3年分の納税証明書

<法人経営者>
・過去3期分の法人決算書
・法人納税書類

【不動産に関する書類】

・権利証(登記識別情報通知)
・不動産登記簿謄本
・住宅案内図・住宅地図
・建物間取図・立面図・配置図
・建築確認通知書・建物検査済証
・(土地)公図・地積測量図
・(建物)建物配置図・建物平面図
・固定資産税納税証明書
・土地建物評価証明書

【その他】

・借入残高証明書
・借入計画書
・事業計画書
・法人謄本(履歴事項全部証明書)

必要書類は、金融機関によって異なる可能性があります。今回紹介したすべての書類が必要ない場合もあれば、追加でそのほかの書類が必要になる場合もあるでしょう。何の書類が必要なのかは、銀行担当者によく確認しておきましょう。

銀行の不動産担保ローンの審査に通過するためには?

ローンを組むときにはかなりの数の書類を揃えなければなりません。書類集めや提出における対応についても審査に影響する可能性があるため、銀行の担当者からの信頼を損なわないように速やかに書類を揃え、提出しましょう。

書類に不備・虚偽の情報があると再提出になったり、融資の打ち切り・一括返済につながったりします。銀行から信用を得られるような対応を心がけることが大切です。

書類に関しては、知識がないと不備があるのか見つからない可能性もあります。できれば専門家に相談しておくのがおすすめです。ローン全般についてはファイナンシャルプランナーに、個人事業主や法人経営者の事業に関わることであれば税理士に相談するとよいでしょう。

銀行の不動産担保ローンの申込から借入までの流れ

不動産担保ローンを借り入れる場合、仮審査・本審査の2段階で審査されることがあります。仮審査では、融資を受けられる可能性があるのかを確認できるサービスです。オンラインで確認できる金融機関もあるため、借入が可能か不安な場合でも事前にチェックできます。

1.仮審査の申し込み
2.仮審査の実施
3.書類提出
4.本審査
5.契約・借入

仮審査の申込から借入までの期間は、金融機関によって大きく異なります。ノンバンクであれば最短即日で、銀行であれば3週間~1ヶ月程度かかるのが一般的です。

銀行の不動産担保ローンの審査通過には審査基準の理解が必要

本記事では、不動産担保ローンの審査基準と審査に必要なことをお伝えしました。不動産担保ローンは、不動産を担保にすることで、用途の自由度・融資金額が高く、返済期間が長い融資を低金利で受けることができます。

ただし、融資には審査があり、信用力や不動産の価値から融資の可否や金額が判断されます。審査通過を目指すためには、審査基準を満たすことはもちろん、銀行からの信頼を得ることも重要です。迷ったときは、専門家からの意見を参考にしながら審査通過を目指すのがよいでしょう。