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不動産担保ローンの返済負担率の計算方法と目安は?

不動産担保ローンの返済負担率の計算方法と目安は?

不動産担保ローンの利用を検討する際には、「返済比率(返済負担率)」という指標を理解しておくことが重要です。これは、ローン審査で重視される要素の1つで、金融機関はこの指標を用いて、無理のない返済ができるかどうかを判断します。

本記事では、返済比率の基本から計算方法、目安や下げ方までを分かりやすく解説します。過度な借入による生活への悪影響や、金融機関のリスクを回避するためにも、しっかりと確認しておきましょう。

返済比率とは?

返済比率とは、年間返済額が年収に対してどの程度の割合を占めているかを示す指標です。金融機関は、返済比率によって借入希望者の返済能力を判断し、借入が無理のない金額で収まっているのかを審査します。

返済比率の数値が高すぎると、返済の継続が難しくなると見なされ、審査に通らないことがあります。反対に、返済比率が低ければ、余裕を持って返済ができると判断され、審査に通りやすくなります。

返済比率は、不動産担保ローンに限らず、住宅ローンやカーローンなど他のローンでも使われる共通の概念です。ただし、金融機関は返済比率をローンの種類ごとに異なる基準で設定していることには留意しておきましょう。
※ ジャパントラストファンドの不動産担保ローン審査基準は?

不動産担保ローンにおける返済比率の計算方法

返済比率は、以下の数式で計算されます。

年間返済額÷年収×100=返済比率(%)

たとえば、毎月のローン返済額が5万円で年収が600万円の場合、年間返済額は60万円となるため、下記のような計算となります。

60万円÷600万円×100=返済比率10%

また、正確な数値を知りたい場合には、各金融機関が提供している返済シミュレーターを利用するのが有効です。月々の返済額だけでなく、金利や返済期間を考慮したシミュレーションが簡単にできます。
※ ジャパントラストファンドの返済シミュレーションはこちら

借入は合算して返済比率がチェックされるので注意

返済比率を考える際に注意したいのが、複数のローンがある場合、借入額がすべて合算されて審査される点です。住宅ローンやカーローン、教育ローン、クレジットカードのリボ払いやスマートフォン端末の分割払いなども対象に含まれます。

つまり、他のローンですでに多額の返済を抱えている状態で、新たに不動産担保ローンを申し込む場合、トータルの年間返済額が大きくなり、返済比率も高くなってしまいます。思わぬ形で審査に通らない事態を避けるためにも、自身の借入状況は事前に整理しておくことが重要です。
※ 不動産担保ローンに関する疑問を解消!FAQ

返済比率の目安と上限

返済比率には、金融機関ごとに定められた上限があります。この上限は、債務者が返済不能に陥らないように配慮されたものであり、また金融機関の貸し倒れリスクを軽減するための仕組みでもあります。

ここでは、ローンの種類ごとの返済比率の目安を見ていきましょう。

不動産担保ローンの返済比率

不動産担保ローンにおける返済比率の目安は「30%以内」とされています。年収に対して年間返済額が30%を超えると、生活に支障が出ると判断され、審査が通らない可能性が高くなります。

また、金融機関によってはさらに低い基準を設けている場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
※ まずは専門家にご相談ください

住宅ローンの返済比率

住宅ローンの場合、返済比率の平均は「25〜35%」程度です。政府系金融機関である住宅金融支援機構が提供する住宅ローン「フラット35」では、年収400万円未満で返済比率が30%以下、年収400万円以上であれば35%以下と明確な基準が設けられています。

住宅ローンは借入金額が大きく、返済期間も長いため、やや高めの比率が許容されているのが特徴です。とはいえ、完済年齢が定年前後になることも多く、日々の生活や教育費、家要否、老後の備えもふまえた上での借入計画が求められます。

マイカーローンの返済比率

マイカーローンの返済比率は、「10〜20%」が一般的な目安です。車の購入に必要な金額が住宅と比較して少ないこと、返済期間も比較的短期間であることから、比率は抑えられています。

審査時には、ほかのローンの有無や勤務状況も合わせてチェックされるため、返済比率だけでなく総合的な信用情報の管理も重要です。

返済比率を下げる方法は?

借入希望額が返済比率の上限を超えてしまう場合でも、少し工夫をすることで比率を下げ、審査通過の可能性を高めることができます。最後は、返済比率を下げるために実践しやすい対策を紹介します。

総借入額を減らす

審査に通らなければ1円も借りられないため、借入額そのものを減らすことで審査を通過しやすくなります。

たとえば、自己資金で頭金を多めに用意すれば、借入額を抑えることができ、その分返済比率も低下します。また、すでにある借入を減らしておくことで、合算される返済額を減らすことができます。特に、小口のリボ払いやキャッシングなどがある場合は、優先的に完済しておくとその後の返済の負担も抑えられます。

返済期間を延ばす

もう1つの方法は、返済期間を長く設定することです。返済期間が延びれば、1年あたりの返済額が少なくなり、結果的に返済比率を下げることができます。

ただし、返済期間を延ばすことで総返済額が増える点には注意が必要です。特に、退職後は収入が低下するため、ローンが多く残っていると老後破綻のリスクがたかまります。あくまでも月々の負担軽減と審査通過を重視する場合の選択肢として考えてください。

不動産担保ローンを借りるなら返済比率をチェック

不動産担保ローンを検討する際には、返済比率を事前に把握し、無理のない借入計画を立てることが重要です。返済比率は金融機関による審査で重要視される項目であり、数字が高すぎると審査に通らなくなります。

不動産担保ローンの借入の際に返済比率が高くなりそうなときは、借入総額を減らしたり、返済期間を見直したりと、比率を抑える工夫をしてみましょう。