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担保とは?「担保に入れる」の意味・使い方・例文をわかりやすく解説
「担保」という言葉をなんとなく使っている人も多いでしょう。
本記事では、担保という単語の意味と使い方・例文を紹介します。担保を使ってお金を借りるときのメリット・デメリットについても併せて確認していきましょう。
担保とは
担保(たんぽ)は、下記の3つの意味を持ちます。
担保(たんぽ)は、下記の3つの意味を持ちます。
①将来他人に与えるかもしれない不利益を補うことを保証する行為・保証するもの
②借金の返済が滞った場合に備え、お金を借りる際に債務者(お金を借りる側)が債権者(お金を貸した側)に預けておく経済的に価値があるもの
③(物や財産を取らずに)保証すること
担保が必要になるのは、人からお金や物を借りる時や、商品やサービスを提供する時などです。担保があることにより、関係者間の信頼が構築・強化される効果があります。
一般的には、「~を担保する」「担保に入れる」「担保にする」という使い方をします。
融資における担保の種類
個人間の貸し借りでは、お金を貸すほうが納得すれば担保にするものは何でも構いません。しかし、万が一貸したお金が返済されなかった場合、債権者は預かっていた担保を売却して、貸したものと同等のお金を回収します。そのため、金融機関から正式にお金を借りる際には、借り入れるお金と同等の経済的価値があるものしか担保として認められません。
担保となるものには、「物的担保」と「人的担保」の2種類があります。物的担保とは、損失を補う現物がある”物”を指します。例えば、現金・定期預金・不動産・有価証券・車両などです。対して、人的担保とは、損失を補う”人”を指します。例えば、保証人・連帯保証人・連帯債務者・保証会社です。債務者から貸したお金を回収できなくなった場合、債権者は担保となっている人からお金を回収します。
担保の使い方
続いては、「担保」がどのように使われているのか例文をみていきましょう。
「担保する」の意味・例文
「担保する」とは、何かしらの保証を提供することで、約束事・契約を保証することを指します。簡単にいうと、万が一のための保証を抑えておくことです。そのため、「抵当を確保する」、状況によって「保証する」「保障する」「担う」などと言い換えられます。
・ビジネスシーンでの例文
「商品・サービスの品質を担保するために、品質管理を徹底する」
「顧客の満足度を担保するために、カスタマーサービスを充実させる」
日常生活での例文
「子供たちの安全を担保するために、夜間の外出を控える」
「海外旅行の安全を担保するために、保険に加入する」
「担保に入れる」の意味・例文
「担保に入れる」は、担保となる人や財産を債権者に預けることを指します。「担保に入れる」は、「担保にする」とほぼ同義で使われます。
・担保に入れる(担保にする)の例文
「5,000万円の融資を受けるために自宅を担保に入れる」
「事業資金を調達するために、土地を担保に入れる決心をした」
「住宅ローンは購入する不動産を担保にすることで融資を受けられる」
物的担保のメリット
不動産などの物的担保を預けることで、下記のようなメリットが期待できます。
・審査時間が短くなる
・金利が低くなる
・長期の借入ができる
・高額の融資を受けられる
物的担保があることで、返済が滞っても債権者は担保となっているものを売れば貸したお金を回収できます。そのため、物的担保の価値が高いほど、債務者は良い条件でお金を借りることができます。
例えば、住宅ローンや不動産担保ローンは、不動産を担保にして融資を受けられる金融商品です。いずれも不動産という高額な資産を物的担保にすることで、一般的な年収の人でも数千万円という額を借りられるのです。
物的担保のデメリット
不動産などの物的担保を預けることで、下記のようなデメリットが考えられます。
・担保となる物の価値によって借入の上限額が決まる
・担保を失うリスクがある
物を担保としてお金を借りる場合、一般的には担保となる物の価値によって借り入れられる金額が変わります。返済が滞った場合に債権者は担保を売却して資金を回収するため、担保の価値以上のお金を貸し出すと損をするリスクがあるためです。
債務者からすると、返済が滞ったら担保となっている物を債権者に回収され、売却されることになります。自分が住んでいる家を担保に入れると、住む家が無くなる事態になりかねないのです。
人的担保のメリット
人的担保を利用するメリットは、下記の通りです。
・信用が低い人でもお金を借りられる
・経済状況が悪くてもお金を借りやすくなる
人的担保により、債務者だけでは借り入れられなかった金額を借り入れられるようになります。たとえ債務者の経済状況が悪くても、担保となる人に資産がある・支払能力があると判断されれば、お金を借りられる可能性があります。債務者としてはメリットが大きいものの、一般的には担保となる人にはほぼメリットがありません。
人的担保のデメリット
保証人や連帯保証人、連帯債務者になる人は、債務者が債務を弁済できないと、自分が借りたお金でなくても返済しなければなりません。
また、人的担保は債務者や債権者にとってもリスクがあります。
・担保の価値が不安定
・担保となる人の支払能力に依存する
人的担保の場合、物的担保のように何かを売却して資金を回収することができず、資金が回収できるかは担保となる人の信用に依存します。そのため、債務者は担保となる人に支払能力がなければ、お金を借りる・契約を交わすことはできません。さらに、借入の時よりも担保となる人の支払能力が低下している場合、債権者は資金を回収できない可能性もあります。
上手に担保を使えば融資を受けられる可能性あり
無担保でお金を借りる場合、リスクは低くなりますが、借り入れられる金額も低くなります。対して、有担保でお金を借りる場合、担保に入れた物を失うリスク・保証人等が弁済を迫られるリスクはありますが、高額の融資を受けることができます。
リスクには注意しつつ、担保を上手に使って事業資金の調達やマイホームの購入に役立てましょう。